大阪にある日本最大の韓国仏教寺院 民衆仏教観音寺

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月刊民衆仏教コラム

世界の民族移動と国作り(4)メソポタミア編

メソポタミアはギリシャ語でチグリス、ユーフラテス、つまり二つの川に挟まれた地の意で今のイラク・イラン・シリアの地である。ここは世界四大文明発祥の地で、ノアの洪水、エデンの園の舞台でもあると共に、エジプトと並んで『旧約聖書』揺藍のところでもある。

ここの南部の沼沢地では何族かは不明だが前5000年頃までに人々が住みついていて、潅漑農耕を行い、小規模な神殿を中心に集落を作って住んでいた。そこへ前3500年頃になるとどこからかシュメール人達が移動して来て住みついていった。彼らは大麦を豊富に作りパンを食べ、ビールもふんだんに飲み、サラリーも大麦で支払われた。また前3300年頃には南部の低地帯で横形文字を作り、ボリス国家を作っていった。前2500年頃にはウル第一王朝が成立している。

前2370年頃にはサルゴン一世がアツカドを拠点とし、メソポタミア全域を征服してアツカド帝国を建てた。
このサルゴンについては、あたかもモーセを彷彿とさせるような次の如き説話がある。当時原住民のシュメール人達が住んでいるところへセム人達が移動してきて住んでいた。その頃ユーフラテス川中流域にセム人の都市があった。その都市で守護神を祭る神殿の女祭司長が男の子を産んだ。そこでは女神職者の出産は禁じられていたので、彼女は幼児を密に龍に乗せてユーフラテス川に流した。それを港概監督官が発見し、拾い上げてサルゴンと名付けて大事に育てた。その子は長じてキシュというボリス国儀の宰相にまでなった。

その頃ポリス間の抗争が激しくなってキシュの国も滅ぼされてしまった。そこでサルゴンはシュメール人のものよりも強力な軍隊を作り上げて一大帝国を作った。その国はアツカドから発しているのでアツカド帝国と呼ばれ、またその言語もアツカド語とよばれた。

ところでオリエントは元々『旧約聖書』の生まれ故郷でもあるのだが、中でもノアの洪水説話は際立っている。そのことは20世紀になって発掘した結果、どうやらそれは事実であったようだともいわれている。中でもノアにはセム・ハム・ヤぺテという三人の息子が居たとなっている。セムの子孫は西アジアからオリエント、ハムの子孫は北東アフリカ、ヤぺテの子孫はアジアに住んでいたという。これらの中でもセムの系統は一神教を奉ずる特性があるということがいわれている。

ところでユーラシアの神観念を概観するときいやおう無く前面に立ち現れるのは「天父」に対する畏敬の観念である。これとて元々は希薄な観念であっただろうが、そのうちに為政者達が統治の方法として、これに理論付けしていっているのである。学者達はその発祥源地をシベリアあたりと見ているようだが、これなど当を得ているように見られる。

この「天父思想」の展開ぶりは、東洋では天道の主宰神としてどちらかといえば多神教的な面を保ちつつ普遍化していったものだが、反面西アジアからオリエントにかけては唯一父なる天の神として普遍化していったのであった。

一概に国作りといっても「国」とは人間達が生き抜いていくための最良の社会システムであり、人類文化の窮極的発露の場なのである。斯くて「国」を作るには幾つかの条件が整わなければならない。それは先ず人々が定住しなければならず、そのためには食糧調達の為の農牧が開発されていなければならない。次に責税を徹底させるために文字が造られねばならない。しかしそのボス達にすれば、これだけではまだまだ足りない。そこで国民達をひれ伏させるための神様を創り出すのだ。ここで見ていくオリエントはこれらの諸条件が地球上で最も早く整えられたところである。中でもイラン高原では人類史上最も早く農牧文化が発生している。

洪 淳栄

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